「從門入者不是家珍(もんよりいるものはこれかちんにあらず)」
【その2】本当に価値あるものは自分の内にある
「第1回:本当に価値あるものは自分の内にある」はこちら>
「第2回:本当に価値あるものは自分の内にある」
「正解」のない問題と向き合う
禅の修行の中心は、「公案」と呼ばれる問題を師から与えられ、その公案に全身全霊で取り組むことです。第11回に書いた関山慧玄(かんざんえげん)禅師の逸話のような公案が数限りなくあり、修行僧はその中から師から与えられた公案について、毎日朝晩、師のところへ行って問答を行います。
公案は、論理的に考えれば正解があるような問題ではありません。そう言うと難しそうですが、考えてみれば世の中の問題、人生の問題には総じて正解などないものです。正解のない問題と向き合い、自分の...