「生死事大 光陰可惜 無常迅速 時不待人」(しょうじじだい こういんおしむべし むじょうじんそく ときひとをまたず)
~時間を大切にせよ~
臨済宗の修行法は「看話禅(かんなぜん)」あるいは「公案禅」と呼ばれます。歴代の優れた禅僧の言動などをもとにした「公案」を師から与えられ、その公案に向かって修行し、見解(けんげ)と呼ばれる何らかの答えを見出し、その見解をもって師と問答しながら最終的には悟りと呼ばれる境涯をめざすのです。
公案はテストのように正解がある問題とは異なり、知識や理屈、常識、経験に照らして解くものではありません。
人は誰しも幼いうちはむくな心を持っていますが、年を重ねるにつれ、世間の常識、思考の癖、思い込みといったものにとらわれるようになっていきます。それらはお釈迦様の教えを素直に受け入れることを阻むため、とらわれ...