楠木建流「ずるずる読書」-その2
「華族」という未知との遭遇。
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※本記事は、2021年6月2日時点で書かれた内容となっています。
気がつくと、自分でもまったく予想しなかった本にたどり着く。これも「ずるずる読書」の面白さでありまして、そんな例をご紹介します。小田部雄次さんのお書きになった『皇族』という本があるんです。これは名著です。何かを熱く主張するということは全然なくて、プロの研究者がファクトをじっくり精査した末の論説が淡々と書かれています。しかも新書なので、コンパクトで読みやすい。
この本を読もうと思ったきっかけですが、以前平成天皇が退位の意志をお示しになって、皇室を巡る議論がにぎやかになったと...