しびれる戦略 無敗の男篇-その2
ピラミッドvsフルフラット。
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※本記事は、2021年3月5日時点で書かれた内容となっています。
「無敗の男」中村喜四郎が、最初の選挙をどう戦ったのか。1976年当時の茨城県では地元の有力者の間で利害関係がきっちりとできあがっていて、新人の選挙ではその地域のボスが案内人になるのが通例でした。そこには因習的な利権があります。案内人が遠回しに候補者に金を要求してくる。「案内してもいいけど、ガソリン代がかかるよ」とか、「あの政治家は座布団の下にあれを入れていったよ」と、協力してほしいなら現ナマをよこせ、という世界でした。
もちろん公職選挙法違反なのですが、当時は建前のルールが完全...