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Executive Foresight Online 編集部 @ Executive Foresight Online

ポストコロナ社会における普遍的な価値とは その5 幸福という普遍的な価値を軸に

自身のAIプログラム開発の経験を踏まえ、矢野フェローは経済活動における投資の考え方を転換することが必要ではないかと問う。さらに、予測不能な未来に向き合うとき、個人、企業や社会にとっての揺るがない目的として「幸福」を据えることの意義について語る。

コンセプト-その5 コンセプトを起点に具体化する。

「第1回:コンセプトという『核芯』。」はこちら> 「第2回:『商売の元』をつくる。」はこちら> 「第3回:優れたコンセプトの条件。」はこちら> 「第4回:キャリア形成のコンセプト。」はこちら> 競争戦略にしても、個人のキャリアにしても、最終的には具体的なレベルでの判断や行動になっていなければなりません。ただし、それにしても抽象レベルで本質を凝縮したコンセプトが起点にあって、それを具体のレベルへとブレイクダウンして出でくるものです。コンセプトがないと、判断や行動の基準が定まらない。何をやって何をやらないか、その見極めが場当たり的になり、一つひとつのアクションがつながったり積み重なっていきま...

ポストコロナ社会における普遍的な価値とは その4 データとAIで未来を見通すことはできない

予測不能な時代に対処する方法論として、Predict、Perceive、Prioritizeという3つのPを繰り返すことを矢野フェローは提唱する。山口氏はその中でもPerceive、予測と現実を重ね合わせたときのギャップに気づき、受け入れる姿勢がポイントになると指摘する。データとAIによる予測には原理的な限界があるという矢野フェロー。新しい時代の人材育成のあり方も提言する。

ポストコロナ社会における普遍的な価値とは その3 物理学の視点で社会の動きを見る

社会のように複雑なものの動きを解こうとするとき、重要なのは動きそのものよりも「変化」とその原因に着目することであると矢野フェローは説く。その思考プロセスは、ニュートンが物理法則を見出す際に用いたプロセスと同じであり、複雑な現象をシンプルに捉えることだけでなく、未知の未来に対処する力を高めるという。

コンセプト-その4 キャリア形成のコンセプト。

「第1回:コンセプトという『核芯』。」はこちら> 「第2回:『商売の元』をつくる。」はこちら> 「第3回:優れたコンセプトの条件。」はこちら> これまでは、競争戦略におけるコンセプトの重要性を話してきましたが、キャリア形成でも話は同じです。あなたは何になりたいのですかとか、あなたのキャリアのビジョンは何ですかと聞くと、自分の都合だけの独りよがりの話になりがちです。例えば、30代までに起業したいとか、グローバルに活躍する渉外弁護士になりたいとか言うわけですが、こういうのは全部自分の都合です。願望に過ぎません。 自分以外の誰かの役に立たなければ仕事にはなりませんし、キャリアも形成できません。...

ポストコロナ社会における普遍的な価値とは その2 複雑な現象を統一的に理解したい

矢野フェローが見出した幸福な組織の特徴は、イノベーションが起きやすい組織の要件に近いと山口氏は指摘、仮想空間シフトが進む中で期待される新しい働き方について語る。後半では矢野フェローが幸福の研究に着手したきっかけを明らかにする。

コンセプト-その3 優れたコンセプトの条件。

「第1回:コンセプトという『核芯』。」はこちら> 「第2回:『商売の元』をつくる。」はこちら> コンセプトは「商売の元」であり「違い」を作る源泉です。だとしたら、いいコンセプトというのは何か。今回は、優れたコンセプトの条件について考えてみたいと思います。 例えば、ファーストリテイリングのユニクロ事業のコンセプトは「ライフウェア」として定義されています。これは、言葉としてはごくシンプルでプレーンですが、僕は21世紀の大傑作だと思っています。洋服は昔からある成熟した業界で、ありとあらゆる物が売られていて、目が覚めるような技術革新というものもない。一見してやり尽くされている。しかし、強力なコン...

コンセプト-その2 「商売の元」をつくる。

「第1回:コンセプトという『核芯』。」はこちら> 競争戦略の文脈でいえば、コンセプトというのは、「何を売るのか」に対する答えです。「お客さんは、何にお金や時間を使うのか」ということです。つまり、自分たちが提供しようとする価値の本質を凝縮した言葉、それがコンセプトです。ですから、ミッション、ビジョン、バリューとか、目標という話とコンセプトとはかならずしも一緒ではない。例えば、目標でいうと、売り上げはいくらであるとか、そのときの利益はいくらであるとか、ビジョンでいうと世界ナンバー1の何とかカンパニーとか、ありますよね。でも考えてみると、こういう目標やビジョンというのは、その会社の事情や都合、...

ポストコロナ社会における普遍的な価値とは その1 幸福とは何かをあらためて考える

新型コロナウイルス(COVID-19)が世界中で猛威を振るい、感染拡大防止に向けた外出制限の下で日常生活もビジネスの風景も大きく様変わりしている。ソーシャルディスタンシングにより人とのつながりが薄れ、在宅勤務や自宅待機によるストレスの増加も懸念される今、人間にとっての「幸福」とは何かがあらためて問われている。「経営の足元を築くリベラルアーツ」第7回は、幸福の計測において多くの研究成果をあげてきた日立製作所の矢野和男フェローをゲストに迎える。緊急事態宣言が発令される中、オンラインで行われた対談では、新型コロナウイルスによって一変した社会においても変わらない価値、そして予測不能な未来と向き合...

コンセプト-その1 コンセプトという「核芯」。

今回のテーマは、「コンセプト」です。「コンセプト」というのは、直接日本語に置き換える場合には「概念」と訳されますが、これは少しわかりにくい。僕にとって「コンセプト」の訳としてしっくりとくる日本語は、「核心」です。もっとしっくりとくるのは、「核芯」。そんな言葉はないのですが、「コンセプト」というのは、物事の「核」であり「芯」であるもの。「それは一言で言って何なのか」という問いに対する答え、それが「コンセプト」だと思っています。 僕の専門分野の競争戦略でいえば、「戦略のストーリー」というのはある種の創造物です。いわゆるクリエイティブな仕事、創造や創作といった仕事には、かならず「核芯」という意...

オーラの向こう側-その4 「オーラ」と「オラオラ」

「第1回:オーラの正体。」はこちら> 「第2回:カラフルな人。」はこちら> 「第3回:「圧」がある人。」はこちら> 「オーラ」「カラフル」「圧」と話をしてきましたが、ようするにその人に感じる「凄み」です。第一印象の「オーラ」とは違って、何度お会いしても「凄み」を感じさせる人がいます。「畏怖」という方が近いのかもしれません。 僕の古い知り合いに、中竹竜二さんというラグビーの指導者がいます。彼はU-20の元代表監督で、現在は日本ラグビー協会のコーチングディレクターとして、日本代表チームの“コーチをコーチする”という仕事をされている人です。 中竹さんは早稲田大学ラグビー部の現役の時にはキャプテ...

オーラの向こう側-その3 「圧」がある人。

「第1回:オーラの正体。」はこちら> 「第2回:カラフルな人。」はこちら> 「オーラ」とはちょっと違うのですが、会った瞬間にわかること、感じることってありますよね。例えば、「この人は、仕事ができる」というのが、会った瞬間にわかる。実際にそれは当たっていることが多くて、この辺が人間の感覚の性能にはすごいものがあると思わされるところです。 あえて言語的に表現すると、それは「圧」です。迫力というか、とにかく「圧」があるという言葉がしっくりくるんですね。僕の知っている人でいうと、新浪剛史さん(※1)。重力とか素粒子とかが動いているというように、物理的な現象が起きているはずもないのですが、これは何...
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