本質は「あいだ」にある 〜動的平衡という生命のあり方に学ぶ〜
【第1回】sense of wonderを取り戻す
生物と無生物のあいだに漂う不思議な微粒子、ウイルス。この1年と数か月、世界はその小さなウイルスに翻弄され続けてきた。新型ウイルスのパンデミックという現象をどのようにとらえ、向き合っていくべきか、さまざまな言説が飛び交う中で、生物学者の福岡伸一氏は「正しく畏れる」ことが大切であると説く。分解と合成を常に繰り返し、分子レベルで絶え間なく入れ替わりながら秩序を保つ「動的平衡」という生命のあり方を提示した福岡氏。滞在中のニューヨークと結んだオンライン対談では、動的平衡、西田幾多郎の絶対矛盾的自己同一、ピュシス対ロゴス、そしてフェルメールをキーワードに、生命の本質、物事の本質とは何かに迫る。