年齢無用論―その1
先駆者、井深大
日本が世界で最初に直面する社会課題と言われている、少子高齢化による人手不足。その解決策として生成AIなどのデジタル・テクノロジーが注目される中、楠木教授から全く異なるひとつのアプローチが提案された。それは、「年齢無用論」。高度成長期の日本社会に一石を投じたソニー株式会社(以下ソニー)創業者盛田昭夫氏の著書「学歴無用論」にインスパイアされたこのアイデアが、今月のテーマだ。その1では、まず「学歴無用論」の背景にあるソニーを知るために、盛田氏と両輪の関係にあった井深大(いぶかまさる)氏の考察からスタートする。