リーダーに求められる「情」と「理」 経営改革を支えた、本からの学び
その1 企業の存在意義とは何か
2009年に7,873億円というその時点では製造業で過去最大規模の最終赤字を計上した日立製作所。その再生を託されたのが当時グループ会社の会長を務めていた川村隆名誉会長であった。日立製作所の会長兼社長兼CEOを引き受け、同じくグループ会社の社長から本社に復帰した故中西宏明前会長とともに構造改革を断行し、復活劇を主導した。「大事は理、小事は情」を経営哲学の一つとする川村名誉会長は、趣味の筆頭に読書を挙げ、本からの学びも仕事に生かしてきたという。リベラルアーツと仕事、人生との関係、そして優れたビジネスリーダーに求められる要件とは何か、山口周氏に語る。