芸と仕事-その4 センスとの心中、それが芸。
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「第3回:『古川ロッパ昭和日記』でセンスを知る。」はこちら>
芸論という分野で僕がもっとも影響を受けた書き手というのは、小林信彦さんです。芸論の名人、名手で、たとえば『戦略読書日記』の中でも書きましたが、『日本の喜劇人』。これは日本を代表する喜劇人についての評論です。
小林さんは『おかしな男 渥美清』という渥美清の評伝も書かれていて、僕はこの本を通じて渥美清という特異な人物に多大な影響を受けました。一般には『男はつらいよ』の寅さん俳優で、ああいうキャラクターで知られている人なのですが、実際はものすごい複雑な...