「日本という方法」の可能性 「ボーダーランド・ステイト」というあり方
【その1】「負から成る」ことの大切さ
国際秩序の動揺により民主主義が危機に瀕し、資本主義の限界もささやかれる混迷の時代に、課題克服の手がかりとして「日本的なるもの」への注目が高まっている。編集工学者の松岡正剛氏は、日本の歴史、文化への深い造詣を背景とした独自の日本論を展開し、かねてから日本は「方法の国」であると指摘してきた。松岡氏は昨今の日本への期待をどのように捉えているのか。日本の文化、精神の核心にあるもの、方法日本の可能性をひらくために必要なものとは何か。山口周氏が編集工学研究所の「本楼」を訪ね、語り合った。