「ステークホルダー資本主義」をどう見るか
【第1回】株主主権からステークホルダー主権へ
資本主義が今、見直しを迫られている。象徴的なのは、米国の経営者団体「ビジネス・ラウンド・テーブル(BRT)」が2019年に、「株主の利益を図る」という従来の立場から、株主だけでなく顧客や取引先、地域社会など、あらゆるステークホルダーの利益を重視する立場へと方向転換したことだろう。米国以外でも、世界経済フォーラム(WEF)のシュワブ会長などが「ステークホルダー資本主義」を主張し、世界的な潮流となっている。20年以上も前からステークホルダー型企業に着目してきた早稲田大学の広田真一教授に、その理由を伺った。