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"幸福について"の記事一覧

幸福について-その1 『白い巨塔』と『黒い巨塔』

今回のテーマは「幸福について」。世の中、幸福になりたくない人というのはまずいません。幸福になりたい、その一点では人間は共通しています。例えばある音楽が好きという話でしたら、好きではない人にはものすごく迷惑な話ですが、幸福に関しては、天気と同じように共通の話題として対話することができます。幸福は人類全員の関心事です。幸福をテーマにした本が次々に出版されるわけです。 ただ、その幸福の内実が何かを問われると、人によって大きく異なります。「みんな同じで、みんな違う」、それが幸福のとても面白いところだと思います。 これほど共通していて、これほど違うこともないという主観の極み、それが幸福です。外在的...

幸福について-その2 『二要因理論』の面白さ。

「第1回:『白い巨塔』と『黒い巨塔』」はこちら> 大学院時代にいろいろな経営の理論やモデルを勉強したときに、これは面白い考え方だと思ったのがアメリカの心理学者ハーズバーグ(※)の『二要因理論』です。もう60年も前の古典的なモチベーション理論なので、ご存知の方は少ないかもしれません。僕はモチベーション理論のようなミクロ組織論にはあまり関心がありませんでしたが、ハーズバーグのロジックの面白さには感心しました。 (※)フレデリック・ハーズバーグ 1923年4月8日~2000年1月19日 アメリカの臨床心理学者。ケース・ウェスタン・リザーブ大学で心理学教授、ユタ大学で経営学教授を歴任した。モチベ...

幸福について-その3 他責うっぷん晴らし。

「第1回:『白い巨塔』と『黒い巨塔』」はこちら> 「第2回:『二要因理論』の面白さ。」はこちら> 人間誰しも幸せになりたいと思います。しかし、同時に人間は基本的に怠惰で面倒くさがりなので、できるだけ手っ取り早く幸せになる方法を探そうということになる。そのときに陥りやすい罠が、「より不幸な人間を見つける」という、疑似的かつ刹那的な幸福獲得の手段です。これはもう人間の本性と言っても差し支えないと思いますが、「人の不幸は蜜の味」という方向に走る。他者の不幸を知れば相対に自分が幸せに思えます。 大衆週刊誌の見出しは、古今東西常にスキャンダルです。社会的に権力があるとか、恵まれてるとか、豊かだと思...

幸福について-その4 『微分派』と『積分派』。

「第1回:『白い巨塔』と『黒い巨塔』」はこちら> 「第2回:『二要因理論』の面白さ。」はこちら> 「第3回:他責うっぷん晴らし。」はこちら> 幸福を考えるとき、人は「微分派」と「積分派」に分かれるのではないか、というのが僕の考えです。その人が幸せを認識するメカニズムの違いという話です。 「微分派」というのは、例えば何かを達成したとか、乗り切ったとか、自分の評価が上がったとか、比較的近いところでの二地点間の変化を見て、その大きさに幸せを感じるタイプです。「積分派」というのは、その変化率よりも、過去から全部累積したときの面積の大きさに幸せを感じるタイプです。もちろんこれは善し悪しではなくて、...

幸福について-その5 幸福の敵は、嫉妬と他律性。

「第1回:『白い巨塔』と『黒い巨塔』」はこちら> 「第2回:『二要因理論』の面白さ。」はこちら> 「第3回:他責うっぷん晴らし。」はこちら> 「第4回:『微分派』と『積分派』。」はこちら> 超主観的な幸福というのは、ここでこれまで繰り返し話してきたように、「自分の価値基準をどう持つのか」ということにかかわっています。幸福か不幸かというのは、それぞれの持つ価値基準が決めているということです。 それを裏返すと、不幸になるパターンは、違った価値基準と自分とを無理やり重ね合わせること、つまり「人との比較」です。何であいつがとか、そういうのはやっぱり非常に不幸な状況しか生まない。例えば嫉妬は、人間...

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