水問題から気候変動に迫る
【第2回】ICTの発展とデータ共有がカギ
沖教授の研究の重要な功績は、気候モデルのなかに河川および人の活動を加えたことにある。この成果は、温暖化の影響評価や洪水の予報に使われるだけでなく、いまや沖教授が作成した水循環の概念図は、IPCCの報告書にも反映されている。一方、その研究はコンピュータやICTの進展、研究者間のデータ共有などがなければ成し遂げられないものだった。研究を始めた1990年代当初は、進取的な研究に否定的な声もあったと振り返る。
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「第2回:ICTの発展とデータ共有がカギ」
気象モデルに河川を入れた理由
――沖先生のご研究の肝は、「気象システムのなか...