ノンフィクションの原点は「知ってほしい」という思い
人の話を真摯に聴き、伝えることで磨かれるコモンセンス
【その1】一人ひとりの「証し」を通じて宗教のリアルを書く
仮想空間の発展やAIの高度化、SNSの普及に伴い、虚構と現実、嘘とまことの境界が曖昧になりつつある今日、真実の重みがかつてないほど増している。ノンフィクションライターとして長年にわたって「真実」を見つめ、社会に伝えてきた最相葉月氏は、2023年1月に最新著『証し 日本のキリスト者』(KADOKAWA)を刊行した。構想10年、取材6年を費やした大作を執筆した理由の一つとして、こうした時代だからこそ、人の話をしっかり聴き、書きたかったと語る最相氏。山口周氏との対話を通じ、仕事において自身が大切にしてきた思いを明らかにしていく。