「第1回:企業の連鎖で、未解決の社会課題に立ち向かう」はこちら>
「第2回:ブロックチェーンで解決する、引っ越し・相続・基地局の困りごと」はこちら>
「第3回:NEXCHAIN参画企業の『危機感』」はこちら>
「第4回:イノベーションの壁、オープンイノベーションの可能性。」はこちら>
「第5回:自社ならではのデータとアセットを、オープンに活かす」はこちら>
「ちょうどいい挑戦」なんてない
齊藤(日立)
皆さまお疲れ様でした。いかがでした?
市川(損保ジャパン)
本編では触れなかったのですが、検討テーマごとのワーキンググループをどうEXITするかも大事ですよね。
齊藤(日立)
そうですね。NEXCHAINで検討したサービスを全部、社会実装できるとは我々も思っていなくて。ただ、参加している企業の方々が納得いくまで議論は突き詰めよう、と。その上で「実現が難しい」という結論になったら、何が問題だったのか、どこでつまずいたのかを明確にした上で、検討を一旦凍結するのが現実的な解かなと思います。よいアイデアでもそのときどきの社会情勢やルールに合わない場合もありますし、世の中が変化して機が熟してきたらまた検討を開始するというスタンスでもいいのかなと。
市川(損保ジャパン)
柔軟な考え方ですね。わたしは「成果」と「結果」は違うと思っています。イノベーション事業で成果を出すのは難しいことです。成果ではなく、良かろうが悪かろうが結果、つまり理由に裏打ちされた「結論」を出すことが大事だと部下に伝えています。結果がよくなければ早々にクローズして次へ進む。そういった「ナイストライ」を増やしていくことが大事ではないかと思います。
齊藤(日立)
いいですねえ。すばらしい上司ですね。
大森(東京ガス)
一般的に、会社で「失敗したけどいい挑戦だったね!」なんて褒められること、あまりないですからね。
市川(損保ジャパン)
そもそもイノベーションとは、そんなに簡単に成功するものではありませんよね。ましてデータ活用となると、なおのこと難しいと思います。だからと言って、会社にとってあまりに身近な小さい課題に取り組んでも、社会イノベーションになりませんし。
齊藤(日立)
で、結局は「マネタイズできるかどうか」を突っ込まれるんですよね。あとは「それってうちの会社がやる意味あるんだっけ?」と。逆に、壮大なアイデアを提案すると「そんなことできるの?」って言われてしまう。でもですね、ちょうどいい挑戦なんて世の中にないんですよ。
一同
(笑)。
社内よりも理解者が多いコミュニティ
市川(損保ジャパン)
先日社内で同僚に話したのですが、「社会課題にも粒度があるよ」と。例えば、SDGsが一番粒度の粗い課題だとすると、いきなり「食糧難を解決したい」では粗すぎるし、だからと言って「砂漠でトマトを育てたい」って呼びかけても、課題がピンポイントすぎてだれもついてこない。でも「砂漠化が進む地域の人たちの食糧難を解決するために何かやりたい」って言えば、手を貸してくれる人がいるかもしれない。検討テーマを考えるときに、粒度には気を遣っています。
繰り返しになりますけど、イノベーションなんて簡単に成功するわけがないのです。大事なのはトライすることです。わたしは同僚が何かに挑戦してうまくいかなかった場合に、部署のみんなの前で「ナイストライに拍手を!」と言うよう心掛けています。だれも反応してくれないんですけど。諦めずに言い続けることが大事だと思っています。
橋本(ゆうちょ銀行)
そう考えると、こういうふうに社外に同志がいるのはとても心強いですよ。もしかしたら社内よりもNEXCHAINのほうが、理解者が多いかも知れないです(笑)。
市川(損保ジャパン)
今日皆さまとお話しできてよかったです。NEXCHAINに感謝ですね。これからも引き続きよろしくお願いします。
齊藤(日立)
打ち上げしましょうよ、今日の座談会の。もちろんオンラインで(笑)。
次回は、公開取材「ブロックチェーンを活用した企業間情報連携という新たな潮流」において座談会に続き配信された、NEXCHAIN事務局の加藤晃三氏よる最新の検討テーマ解説をお届けする。
「第7回:社会課題解決に向けたユースケース(解説篇)」はこちら>
【イベントレポート公開のお知らせ】NEXCHAINオンラインセミナー「企業間連携の現在地」
2021年3月12日に開催したNEXHCAIN主催オンラインセミナー『企業間連携の現在地』のイベントレポートを公開。
NEXCHAIN取り組みの現在と今後の展望、DXを推進する経団連DXタスクフォース浦川座長のご講演や参画企業様のパネルディスカッションなど、オンラインセミナーの4セッションのアーカイブ映像と各講演内容のエッセンスを紹介。
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