大阪 通天閣――潜在価値を引き出す経営
【第1回】「広報」を「広告」に変換する
2023年9月、通天閣は四半世紀ぶりの全体改修工事を終えリニューアルを果たした。今や大阪のシンボルとして国内外に知られる存在だが、1956年の竣工からの道のりは決して平坦なものではなく、長く入場者数の低迷に苦しんだ時期もあった。さまざまな面から通天閣の経営を改革し、お膝元の新世界に今日の賑わいをもたらした立役者が、通天閣観光株式会社代表取締役社長 高井隆光(りゅうこう)氏だ。高井氏が手掛けてきた経営改革の一つひとつを紐解き、いかに通天閣の価値を積み上げ、高めていったのかを5回にわたり明らかにしていく。