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日立製作所 加治 慶光 EXILE/EXILE THE SECOND 橘 ケンチ氏 日立製作所 馬島 知恵 澤 円
2024年2月29日、『デジタルの力が導く日本の未来 ~共にめざすSociety 5.0』をテーマに日立製作所主催のイベントを開催した。ゲストは、EXILE/EXILE THE SECONDのパフォーマーとして、また所属するLDH JAPANのSocial Innovation Officerとして活躍されている橘ケンチ氏。Lumada Innovation Hub Senior Principalの加治慶光の進行のもと、日立製作所 執行役常務 馬島知恵、Lumada Innovation Evangelistの澤円の4名で行われたトークセッション。イベント採録の最終回となる第5回は、海外における現在のビジネス展開について。

「第1回:LDHの地域創生」はこちら>
「第2回:ビジネスとしての地域創生」はこちら>
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「第4回:成功事例の共通点」はこちら>
「第5回:グローバルでのビジネス展開」

それぞれのグローバルな取り組み

加治
ここまでは地域創生について、日立とLDHさんの国内事例をご紹介していただきましたが、日立はグローバルでビジネスを展開していますし、LDHさんもおそらく海外進出という戦略をお持ちでしょう。最後のトピックとして、海外で展開している新しい取り組みがありましたら、ぜひ紹介していただきたいと思います。馬島さん、いかがでしょう。

画像: それぞれのグローバルな取り組み

馬島
それではイタリアのジェノバ市の事例をご紹介します。ジェノバは地下鉄やバス、登山鉄道やケーブルカーなどさまざまな公共交通機関と民間交通機関が混在する港町です。ここではクルーズ船が入港すると、数千人の観光客がまちに出てくるので交通は混雑しますし、逆にコロナ禍では利用者の数が大幅に減少するなど、ムリやムダ、ムラの多い交通状況が社会課題になっていました。そこで日立は「GoGoGe」というスマホアプリを開発しました。

これをダウンロードしておけば、まちの中に多数設置されたビーコン(発信機)の電波をキャッチすることで、すべての交通機関をハンズフリーで利用することができます。行先を入力すれば、最も安価な移動ルートが表示され、料金はその日の終わりにデジタルで自動精算されます。バスの混雑状況やリアルタイムの道路状況も確認でき、電気自動車のレンタルや駐車場の支払いなども済ますことができます。ジェノバの交通インフラ全体を結ぶこのアプリは、60万人のジェノバ市民と年間350万人の観光客に、新しい移動体験を提供しています。

加治
これは、いろいろな地域の課題を解決してくれる可能性のある事例だと思います。それではケンチさん、LDHさんのグローバル展開、あるいは構想があれば教えてください。


LDHは、コロナ禍に入る前に一度世界展開を仕掛けたことがあったのですが、コロナ禍でストップしてしまいました。最近になって、再トライしているところです。今は東南アジアのタイに、LDHの若手のBALLISTIK BOYZとPSYCHIC FEVERというグループのメンバーが現地に住み、タイのことを学びながらリアルに活動しています。東南アジアからアジア圏に火を付けて、メイド・イン・ジャパンのLDHのエンターテインメントを広げていきたい。そんな思いがあります。

そしてLDHにはLDH kitchenという飲食系の会社もありまして、『鳥しき』という目黒にあるなかなか予約の取れない焼き鳥屋さん、そのお店の大将である池川さんにジョインしていただいて、若手の焼き鳥職人を育成しながらお店を展開しています。いずれは世界に向けて、焼き鳥という食文化を広めていきたいというビジョンも持っています。

地域創生はハッピーの追求

加治
ありがとうございます。今日は夢の力や情熱をどう生かすかといったエンターテインメントの重要性や可能性について、ケンチさんやLDHさんから教わった気がします。それではトークセッションの最後に、皆さまからひとことずついただけたらと思います。

画像1: 地域創生はハッピーの追求


今日は刺激的で有意義な時間を過ごさせていただき、ありがとうございました。ソーシャルイノベーション、社会課題の解決は、自分たちが従事するエンターテインメントから、環境問題に関わることまで本当に幅広いことを改めて認識しました。僕は自分一人で正解を出せる人間ではないので、これまでも出会った方々からさまざまなことを教わりながら、自分が思い描いていることに重ね合わせて、いろいろな方々とチームを組んで進んできました。これからも人とのつながりを力にして、社会課題の解決、そして自分たちの掲げている「日本を元気に」ということに突き進んでいきたいと思っています。

そしてLDHとしては、「Circle of Dreams」というパーパスを掲げています。もともと自分たちはそれぞれが夢を抱き、それを追いかけて、みんなで形にすることを喜びとして生きてきました。次世代の子どもたちも、同じように新しい夢を追いかけて、それをかなえる喜びを何周も何周も繰り返しながら人生のステップを上がっていってもらいたいです。僕自身もまだまだ夢の途中です。今日お会いした皆さまや、ご視聴いただいている方々ともどこかでつながって、新しいことがはじめられたらうれしいです。今日は、本当にありがとうございました。

画像2: 地域創生はハッピーの追求

馬島
本日はこのような機会をいただきまして、ありがとうございました。ケンチさんのお話を伺って、地域創生への意識や取り組みなど共感する点が多くあり、根底には共通したものがあると感じました。日立製作所は、インフラやシステムなどの構築は得意分野なのですが、社会課題の解決や地域創生には住民の方の共感がなくてはなりません。そういったハートの部分は、エンターテインメントの世界で勝負されてきたLDHさんの得意分野であることがよくわかりました。今後は、どこかでお互いの夢の実現のためにご一緒する機会を作れたらと思います。まずはぜひ一度、日立市に日本酒を飲みに来てください。


ありがとうございます。

画像3: 地域創生はハッピーの追求


地域創生という言葉は少し堅い感じがするし、もう真面目な顔をして眉間にしわを寄せて取り組まなければいけないイメージがあります。でもそれはとても面白い仕事で、地域の方々と一緒に課題を解決することは、みんなで面白く取り組めた方が推進力は高いはずです。エンターテインメントというのは、まさにこの面白いところに直結したものですよね。

例えばある地域でとれるおいしいものを、おいしい料理にして、それを全国の人が楽しみに食べに来てくれる。そんな関係性を生み出せたら、誰も損はしないわけです。みんながハッピーになれる。本当にハッピーになるために面白いことをしていく、それが地域創生だということをぜひ皆さまの共通理解にしていただきたいです。そしてそれを拡散していただけたら、社名にハッピーと入っているLDHのケンチさんをお招きした意味があったと思います。ありがとうございました。

加治
今日はLDHのケンチさんという、日立とは全く違う持ち味で地域創生と取り組まれている方の貴重なお話を伺うことができました。皆さま、本日はお忙しい中、ご清聴いただきありがとうございました。

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画像1: デジタルの力が導く日本の未来 ~共にめざすSociety 5.0〜 
【第5回】グローバルでのビジネス展開

橘 ケンチ(Tachibana Kenchi)
2007年に二代目J Soul Brothersのメンバーに抜擢され、2009年にEXILEに加入。EXILE/EXILE THE SECONDのパフォーマーとして活躍する傍ら、ライフワークとして日本酒の魅力を発信。多くの実力派酒蔵や醸造家とコラボを実現している他、2023年SAKEの魅力を網羅した書籍『橘ケンチの日本酒最強バイブル』(宝島社)及び処女小説『パーマネント・ブルー』(文芸春秋)を上梓。2018年13代酒サムライ、2021年福井市食のPR大使に就任。2023年10月より所属するLDH JAPANのSocial Innovation Officerに就任。

画像2: デジタルの力が導く日本の未来 ~共にめざすSociety 5.0〜 
【第5回】グローバルでのビジネス展開

馬島 知恵(Mashima Chie)
1989年、日立製作所入社。2018年、社会ビジネスユニット 公共システム営業統括本部 営業統括本部長。2019年、理事/日立オーストラリア社 社長。2023年4月、執行役常務 営業統括本部副統括本部長 兼 デジタルシステム&サービス担当 CMO兼 社会イノベーション事業統括本部長。

画像3: デジタルの力が導く日本の未来 ~共にめざすSociety 5.0〜 
【第5回】グローバルでのビジネス展開

澤 円(Sawa Madoka)
株式会社日立製作所 Lumada Innovation Evangelist。株式会社圓窓 代表取締役。元・日本マイクロソフト株式会社業務執行役員。武蔵野大学 専任教員。SBテクノロジー株式会社 社外取締役。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年に大手外資系IT企業に転職。情報共有系コンサルタントを経てプリセールスSEへ。最新のITテクノロジーに関する情報発信の役割を担う。2006年よりマネジメントに職掌を転換し、ピープルマネジメントを行う。

画像4: デジタルの力が導く日本の未来 ~共にめざすSociety 5.0〜 
【第5回】グローバルでのビジネス展開

加治 慶光(Kaji Yoshimitsu)
株式会社 日立製作所 Lumada Innovation Hub Senior Principal。シナモンAI 会長兼チーフ・サステナビリティ・デベロプメント・オフィサー(CSDO)、鎌倉市スマートシティ推進参与。青山学院大学経済学部を卒業後、富士銀行、広告会社を経てケロッグ経営大学院MBAを修了。日本コカ・コーラ、タイム・ワーナー、ソニー・ピクチャーズ、日産自動車、オリンピック・パラリンピック招致委員会などを経て首相官邸国際広報室へ。その後アクセンチュアにてブランディング、イノベーション、働き方改革、SDGs、地方拡張などを担当後、現職。2016年Slush Asia Co-CMOも務め日本のスタートアップムーブメントを盛り上げた。

シリーズ紹介

楠木建の「EFOビジネスレビュー」

一橋ビジネススクール一橋ビジネススクールPDS寄付講座特任教授の楠木建氏の思考の一端を、切れ味鋭い論理を、毎週月曜日に配信。

山口周の「経営の足元を築くリベラルアーツ」

山口周氏をナビゲーターに迎え、経営者・リーダーが、自身の価値基準を持つための「リベラルアーツ」について考える。

協創の森から

社会課題の解決に向けたビジョンの共有を図る研究開発拠点『協創の森』。ここから発信される対話に耳を傾けてください。

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パーパス、CSV、ESG、カスタマーサクセス、M&A、ブロックチェーン、アジャイルなど、経営戦略のキーワードをテーマに取り上げ、第一人者に話を聞く。

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