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2024年2月29日、『デジタルの力が導く日本の未来 ~共にめざすSociety 5.0』をテーマに日立製作所主催のイベントを開催した。ゲストは、EXILE/EXILE THE SECONDのパフォーマーとして、また所属するLDH JAPANのSocial Innovation Officerとして活躍されている橘ケンチ氏。Lumada Innovation Hub Senior Principalの加治慶光の進行のもと、日立製作所 執行役常務 馬島知恵、Lumada Innovation Evangelistの澤円の4名で行われたトークセッション。イベント採録の第3回は、馬島知恵による日立製作所の地域創生のプレゼンテーション。

「第1回:LDHの地域創生」はこちら>
「第2回:ビジネスとしての地域創生」はこちら>
「第3回:日立の地域創生」
「第4回:成功事例の共通点」はこちら>
「第5回:グローバルでのビジネス展開」はこちら>

地域創生の日立の取り組み

加治
次は日立製作所の取り組みについてプレゼンテーションしていただきましょう。馬島さん、よろしくお願いします。

馬島
あらためまして、日立製作所の馬島でございます。本題に入る前に、少しだけ自己紹介をさせていただきます。私は長く中央官庁ですとか自治体といった国民のインフラとなりますシステムの営業を担当しておりました。2019年から2年間日立オーストラリアで海外駐在をした後日本に帰国してからは、社会イノベーション事業を推進しています。現在はデジタル部門のCMO、そして社会イノベーション事業の統括本部長をしておりまして、短期および中長期の視点から社会課題の解決に向けて、日々いろいろなメンバーと試行錯誤している真っ最中でございます。

画像1: 地域創生の日立の取り組み

プロジェクトの説明に入る前に、日立がめざすビジョンを紹介させていただきます。日立は、サステナブルな社会の実現のために地球環境を守りながら、一人ひとりが快適で活躍できる世界を実現する。つまり“プラネタリーバウンダリー”と“ウェルビーイング”が両立できる社会をめざしており、そのためにデータとテクノロジーを駆使した事業を推進しています。

画像2: 地域創生の日立の取り組み

日立は、日本政府や経済界が推進しておりますSociety 5.0、これがサステナブルな社会の象徴的なゴールだと考えております。皆さんもご存じのように、現在の日本には環境問題、人口減少、高齢化などたくさんの社会課題があり、その複雑性からもはやひとつの自治体や企業が単独でこれを解決することは困難です。

企業、自治体、教育機関などさまざまなステークホルダーに加えて、地域の主人公である住民の皆さまと一体となって社会課題と向き合いながら、共に未来を作る。これが私たちが考えるSociety 5.0であり、日立が推進してきた社会イノベーション事業の集大成として取り組んでいます。

日立市との共創プロジェクト

Society 5.0の社会実装をめざすプロジェクトとして、私たちは日立市と次世代未来都市に関する共創プロジェクトを進めております。

画像1: 日立市との共創プロジェクト

日立製作所は1910年に茨城県日立市で創業しました。「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念のもと、自治体、地域住民と共に時代ごとの課題を一緒に乗り越えてきました。110年以上にわたって地域の特性や課題を共有し、事業を行うだけでなく地域のインフラ整備や学校、教育にも注力するなど、日立市とは長い間特別なきずなを構築してきた歴史があります。

その日立市は、日本の多くの地域と同様に少子高齢化や人口減少といった社会課題を抱えています。また、環境面では国内有数の工業都市ということで、産業部門からのCO₂排出量削減が特に重要な課題となります。そこで日立市と日立製作所は、これらの社会課題解決に向けた次世代未来都市、つまりSociety 5.0の社会実装を共にめざし推進していくために、2023年12月21日に包括連携協定を締結しました。

画像2: 日立市との共創プロジェクト

一方で日立製作所から日立市サイドを見てみますと、日立事業所や大みか事業所など10以上の事業所や工場に加え、研究開発をリードする日立研究所など日立のアセットの集積地になっています。さらに住民の皆さまの医療を支える日立総合病院もございます。つまり日立市は、日立の強みであるIT、OT(制御技術)、プロダクトを最大限生かせる地域です。さらに住民参加がもっとも重要なキーとなるSociety 5.0において、多くの従業員やご家族の方がこの地に住んでいるということは、このプロジェクトのかけがえのない財産となっております。

画像3: 日立市との共創プロジェクト

現在日立市さまとの共創プロジェクトで取り組んでいるテーマは、3つございます。1つ目は“グリーン産業都市”です。産業、アカデミア、地方銀行などの金融業界、行政との連携によって、地域産業の脱炭素化を促進しています。すでに日立市と連携し、中小企業を含めた脱炭素化に向けた取り組みや課題の明確化が進行中です。

2つ目は“デジタル医療・介護”です。デジタルの利活用によって市民の健康維持・増進を図り、「住めば健康になるまち日立市」をめざしたオンライン診療や、地域包括ケアの実証の検討を進めています。

そして3つ目は“公共交通のスマート化”です。デジタルを活用して多様な移動手段を組み合わせ、誰もが移動しやすいまちをめざします。現在は交通の将来像を策定するとともに、次世代モビリティサービスなども検討しています。そして、この3つのテーマ全てに共通するキーは「デジタルでつなぐ」というところで、生成AIを含めた最先端のデジタル技術もフルに活用していきます。

日本全体に目を向けますと、日立市と同様の特性を持つ地域、製造業など第2次産業の構成比が40%を超え、人口10万人以上を有する地域は国内に100以上存在しています。この日立市との共創プロジェクトで確立したソリューションや事業モデルを、他の地域へも展開していくことで「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という日立の企業理念を形にしていきたいと考えています。以上で私のプレゼンテーションを終わります。

画像4: 日立市との共創プロジェクト

加治
馬島さん、ありがとうございました。非常に可能性のあるプロジェクトであることがよく理解できました。ここはぜひケンチさんにコメントをいただきたいと思います。


やっぱり日立さんの考える地域創生という取り組みは、僕たちが考えるものとは明らかに違うな、と思いました。その違いというのは、日立さんはハードをしっかり作ることができる。建物やシステムなどまちを仕組みごと作ることができるわけで、それは現実的に多くの課題を解決する可能性があると感じました。僕たちが得意とするところはソフトというか人の力でエンタメを投入していくところなので、日立さんが作られるスマートシティにもっと笑顔を増やすために何ができるか、といった提案をさせていただくようなコラボができたら面白いかもしれません。

加治
夢や希望の持つ力やその生かし方に関して、日立がLDHさんから学べることはたくさんあると思います。澤さん、いかがでしょう。


今の社会課題は、ちょうどいいサイズが残っていないという人がいます。解決策を思い付きやすい真ん中のエリアはもう解決済みで、残っているのはすごく大きいか、すごく小さいか。例えば大きい方は、地球温暖化や資源の枯渇、あるいは国際紛争など、国家レベルで向き合わないといけない課題はまだまだ残っていて、日立はここにも取り組んでいきます。

一方で小さい方の課題は、もう個別なんです。超個別な個人レベルの細かい課題を解決しなければならない時、これは一人ひとりを幸せにするエンターテインメントのLDHさんが得意とする領域なのではないか。人の心を動かす力と、発電所から鼻毛カッターまで作れる企業の力。この組み合わせは、実はすごく相性がいいのかもしれないです。(第4回へつづく

「第4回:成功事例の共通点」はこちら>

画像1: デジタルの力が導く日本の未来 ~共にめざすSociety 5.0〜 
【第3回】日立の地域創生

橘 ケンチ(Tachibana Kenchi)
2007年に二代目J Soul Brothersのメンバーに抜擢され、2009年にEXILEに加入。EXILE/EXILE THE SECONDのパフォーマーとして活躍する傍ら、ライフワークとして日本酒の魅力を発信。多くの実力派酒蔵や醸造家とコラボを実現している他、2023年SAKEの魅力を網羅した書籍『橘ケンチの日本酒最強バイブル』(宝島社)及び処女小説『パーマネント・ブルー』(文芸春秋)を上梓。2018年13代酒サムライ、2021年福井市食のPR大使に就任。2023年10月より所属するLDH JAPANのSocial Innovation Officerに就任。

画像2: デジタルの力が導く日本の未来 ~共にめざすSociety 5.0〜 
【第3回】日立の地域創生

馬島 知恵(Mashima Chie)
1989年、日立製作所入社。2018年、社会ビジネスユニット 公共システム営業統括本部 営業統括本部長。2019年、理事/日立オーストラリア社 社長。2023年4月、執行役常務 営業統括本部副統括本部長 兼 デジタルシステム&サービス担当 CMO兼 社会イノベーション事業統括本部長。

画像3: デジタルの力が導く日本の未来 ~共にめざすSociety 5.0〜 
【第3回】日立の地域創生

澤 円(Sawa Madoka)
株式会社日立製作所 Lumada Innovation Evangelist。株式会社圓窓 代表取締役。元・日本マイクロソフト株式会社業務執行役員。武蔵野大学 専任教員。SBテクノロジー株式会社 社外取締役。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年に大手外資系IT企業に転職。情報共有系コンサルタントを経てプリセールスSEへ。最新のITテクノロジーに関する情報発信の役割を担う。2006年よりマネジメントに職掌を転換し、ピープルマネジメントを行う。

画像4: デジタルの力が導く日本の未来 ~共にめざすSociety 5.0〜 
【第3回】日立の地域創生

加治 慶光(Kaji Yoshimitsu)
株式会社 日立製作所 Lumada Innovation Hub Senior Principal。シナモンAI 会長兼チーフ・サステナビリティ・デベロプメント・オフィサー(CSDO)、鎌倉市スマートシティ推進参与。青山学院大学経済学部を卒業後、富士銀行、広告会社を経てケロッグ経営大学院MBAを修了。日本コカ・コーラ、タイム・ワーナー、ソニー・ピクチャーズ、日産自動車、オリンピック・パラリンピック招致委員会などを経て首相官邸国際広報室へ。その後アクセンチュアにてブランディング、イノベーション、働き方改革、SDGs、地方拡張などを担当後、現職。2016年Slush Asia Co-CMOも務め日本のスタートアップムーブメントを盛り上げた。

シリーズ紹介

楠木建の「EFOビジネスレビュー」

一橋ビジネススクール一橋ビジネススクールPDS寄付講座特任教授の楠木建氏の思考の一端を、切れ味鋭い論理を、毎週月曜日に配信。

山口周の「経営の足元を築くリベラルアーツ」

山口周氏をナビゲーターに迎え、経営者・リーダーが、自身の価値基準を持つための「リベラルアーツ」について考える。

協創の森から

社会課題の解決に向けたビジョンの共有を図る研究開発拠点『協創の森』。ここから発信される対話に耳を傾けてください。

新たな企業経営のかたち

パーパス、CSV、ESG、カスタマーサクセス、M&A、ブロックチェーン、アジャイルなど、経営戦略のキーワードをテーマに取り上げ、第一人者に話を聞く。

Key Leader's Voice

各界のビジネスリーダーに未来を創造する戦略を聞く。

経営戦略としての「働き方改革」

今後企業が持続的に成長していくために経営戦略として取り組むべき「働き方改革」。その本質に迫る。

ニューリーダーが開拓する新しい未来

新たな価値創造に挑む気鋭のニューリーダーに、その原動力と開拓する新しい未来を聞く。

日本発の経営戦略「J-CSV」の可能性

日本的経営の良さを活かしながら利益を生み出す「J-CSV」。その先進的な取り組みに迫る。

ベンチマーク・ニッポン

日本を元気にするイノベーターの、ビジョンと取り組みに迫る。

デジタル時代のマーケティング戦略

マーケティングにおける「デジタルシフト」を、いかに進めるべきか、第一人者の声や企業事例を紹介する。

私の仕事術

私たちの仕事や働き方の発想を変える、膨らませるヒントに満ちた偉才たちの仕事術を学ぶ。

EFO Salon

さまざまな分野で活躍する方からビジネスや生活における新しい気づきや価値を見出すための話を聞く。

禅のこころ

全生庵七世 平井正修住職に、こころを調え、自己と向き合う『禅のこころ』について話を聞く。

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明治期に始まる産業振興と文明開化、日本社会の近代化に多大な影響を及ぼした岩倉使節団。産業史的な観点から、いま一度この偉業を見つめ直す。

八尋俊英の「創造者たち」~次世代ビジネスへの視点~

新世代のイノベーターをゲストに社会課題の解決策や新たな社会価値のつくり方を探る。

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