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山口 周氏 独立研究者・著作家・パブリックスピーカー/所 ジョージ氏 シンガーソングライター・タレント
他人と自分を比べないことが、所さんの魅力の一つだという山口氏。楽しく生きていれば他人のことなんか気にならないと所さんは話し、人生をおもしろくする考え方を披露する。さらに、世の中をおもしろくして暇をなくす、「大きな動き」のアイデアも…。

「第1回:暮らしを自分仕様にデザインする」はこちら>
「第2回:賞味期限を守らないと、毎日が忙しくて楽しい」はこちら>
「第3回:「人生の達人」の極意は比べないこと」

暇を有意義にすごすには知恵が必要

山口
所さんの素敵なところはたくさんありますが、その一つは「比べていない」ことだと思います、他人と自分を。自分が楽しければいいと。


ああ、そうですね。ただ、邪魔だとか迷惑だとか思われない程度にね。

山口
今、SNSのせいでみんな比べている気がするんですよ。それで自分はイケてないとイライラしたり。それが不幸になっていく最大の要因じゃないかという気がしています。


まあ比べてもいいんだけど、超えるか、すごく劣るか、どっちかに振ればおもしろいことになると思いますよ。

山口
劣るのも手ですか。


手ですよ。例えば周りの人がいい時計をしてる。でも自分はボーナスが少ないから買えない。それで羨んで不満をためたって何も変わらないんだから、時計が買えなかったらカタログをもらってくるの。タダだから。カタログには実寸の時計の写真が載っているから、それを切り抜いて、裏側に段ボールを貼って、ベルトをテープなんかでつける。つくったのあるよ(実物を見せる)。これをテレビに出るときなんかに平気でしてるの。そしたら「すげえ時計してるな」って。チラッと見ただけじゃわかんないから。これなら好きな時計つけられるでしょ。

山口
最高ですね、これ。で、「ロレックスのデイトナ買いました」とかSNSに上げて。


「明らかに嘘じゃん」っていうのがおもしろいの。こんなのをつけてると、会社でおもしろそうなやつだと思われて、そこから何か枝葉が出るかもしれないでしょ。あと、こんなのお父さんがしてたらお母さんが黙ってないから。「そんなに欲しいんだったら、あなた買いなさいよ。ローンを組んで」ってなるから。

山口
作戦ですね。


これをつけて出かけて「電車の中で気づかれるでしょうか?」とか、おもしろいじゃん。お金があって本物の高い時計を買った人には、できない遊びだからね。

山口
いやいや、やっぱり本当に「人生の達人」です、所さんは。楽しく生きられるかどうかは、ちょっとした気持ち次第ですね。


楽しいことで忙しければ、他人のことなんか気にしていられないじゃないですか。暇だからSNSを見て他人のことが気になる。

山口
「暇」ってギリシャ語でスコレー(scholē)といって、これが「School=学校」の語源なのだそうです。学校というと「勉強させられるところ」というイメージが強くて、なぜ「暇」が語源なのか不思議に思われるかもしれませんが、暇を楽しく有意義に過ごすためにはいろんな知識や技術、知恵が必要。だから学校で教えましょうということになったので。


ああ、そういうことなんだ。

山口
暇を有意義にすごせない人が増えているのは困ったものなんですよね。昭和の頃は高度経済成長でお仕事も家事も忙しかったんですけれど、経済成長が止まって、しかも今後は人工知能やロボットが人間の仕事をやってくれるようになったときに、「暇」が大きな社会問題になると思うんです。

画像: 暇を有意義にすごすには知恵が必要

マイナンバーカードを宝くじにしてみたら


そうだね。だから、日本には「大きな動き」が必要なんじゃないですか。なんか乱暴なことをやってみるとか。

山口
乱暴なことというのは…。


例えば、東名を片側8車線にする。

山口
大胆ですね。


それぐらいすると渋滞がなくなるから、都内から御殿場まで今は2~3時間かかっているのが1時間で行けるようになるかもしれない。そうなると、御殿場あたりまで実質、東京みたいな感じになる。それ考えるとおもしろいよね。まあ、そういう大きな動きがあると、いろいろな仕事が増えるわけじゃないですか。それでみんな暇がなくなる。乱暴だけど。

山口
もういっそ遷都してしまおう、というのもおもしろいかもしれない。


そうだね。政治もね、もうちょっとおもしろいやり方ができないかと思いますよ。例えば、マイナンバーカードを持たせたい、使わせたいっていうんで懸命じゃないですか。保険証や免許証と一緒にしたり。あんなの、みんなが持ちたいと思うようなことをすれば誰もが持つのにね。

山口
例えばどんなことですか。


単純に、マイナンバーで宝くじをやる。国を挙げて年に1回。1億円が1万人に当たるとなったら、みんな持ちたがるでしょ。1兆円かかりますけど、それで少子化も解決できるの。マイナンバーカードをたくさん持っているほうが当たりやすいじゃない。そうすると子どもの数が多いほうが有利だから。

山口
ああ、なるほどですね。


あと、常に携帯を義務づけるの。持っていない人は運転免許証不携帯と同じで減点されたり、自転車や歩行者の交通違反もマイナンバーカードで減点されたりする。減点が10点になると宝くじの当選権利がなくなることにすれば、みんな必ず持ち歩くし、ちゃんと交通法規を守るようになる。でも減点された点数を回復できる仕組みもあって、道路清掃で2点プラスとか、介護福祉施設の手伝いをすると3点プラスとか。それで人手不足解消にも貢献できる。マイナンバーカードを宝くじにすれば、毎年たった1兆円ですべてがうまくいく。どこかで言いたくてしょうがなかったの、これ。魅力があればみんなが持つはずでしょ。魅力として世の中のみんなにわかりやすいのはお金だと思うのね。

山口
素晴らしいアイデアだと思いました。所さんはテレビ番組や雑誌の企画、商品の企画やデザインもされていますよね。やっぱりそのあたりで人の関心を集めるセンスを磨いてらっしゃる。


いや、でも僕が売っているのは役に立たないもの、くだらないもの、ムダなもの。「このへんがちょっとくすぐったくなるから買ってみて」というものだけですから。

山口
でも、くすぐり方が上手じゃないと売れませんよね。マイナンバーカードみたいなものも「役に立ちますよ」ではなくて、「役に立つか立たないかわからないけど、おもしろいから持ってみたら」という工夫があれば、もっと世の中が楽しくなるのに、と思います。

第4回は、1月20日公開予定です。

画像: マイナンバーカードを宝くじにしてみたら
画像1: 「幸せのひきがね」は、面倒くさがらないこと
所さん式、人生を楽しく生きる術
【その3】「人生の達人」の極意は比べないこと

所 ジョージ
1955年埼玉県生まれ。O型。ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの前座を務め、1977年にシンガーソングライターとしてデビュー。演奏としゃべりを組み合わせた独自のスタイルで、タレント、コメディアンとして人気を博す。日本テレビ系バラエティ『世界まる見え!テレビ特捜部』、『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』などの司会をはじめ、日本を代表するタレントとして多数のバラエティ番組で活躍。また俳優、声優、ラジオパーソナリティ、作家、コピーライター、発明家、ゲームクリエイター、YouTuber、漫画家などの顔を持ち、多才ぶりでも知られる。
現在、『所さんの目がテン!』(日本テレビ系列)、『所さん!事件ですよ』(NHK総合)、『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』(テレビ東京系列)、『ポツンと一軒家』(朝日放送テレビ・テレビ朝日系列)、『所さんの世田谷ベース』(BSフジ)にレギュラー出演中。

画像2: 「幸せのひきがね」は、面倒くさがらないこと
所さん式、人生を楽しく生きる術
【その3】「人生の達人」の極意は比べないこと

山口 周
1970年東京都生まれ。電通、ボストンコンサルティンググループなどで戦略策定、文化政策立案、組織開発等に従事した後、独立。
著書に『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社)、『武器になる哲学』(KADOKAWA)、『ニュータイプの時代』(ダイヤモンド社)、『ビジネスの未来』(プレジデント社)、『クリティカル・ビジネス・パラダイム』(プレジデント社)他多数。最新著は『人生の経営戦略 自分の人生を自分で考えて生きるための戦略コンセプト20』(ダイヤモンド社)。慶應義塾大学文学部哲学科、同大学院美学美術史学専攻修了。

シリーズ紹介

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一橋ビジネススクール一橋ビジネススクールPDS寄付講座特任教授の楠木建氏の思考の一端を、切れ味鋭い論理を、毎週月曜日に配信。

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山口周氏をナビゲーターに迎え、経営者・リーダーが、自身の価値基準を持つための「リベラルアーツ」について考える。

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寄稿

八尋俊英の「創造者たち」~次世代ビジネスへの視点~

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