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「第2回:お客さまのDXを成功に導き、AI時代の知的価値を創出」
Engineering Impact
──社会に知的インパクトをもたらすデジタルエンジニアリング
ここで、もう少し私たちの強みについて紹介しておきましょう。GlobalLogicが掲げる「Engineering Impact」という企業メッセージは、データ、デザイン、エンジニアリングを駆使しながら最先端テクノロジーを活用するデジタルエンジニアリングにより、社会に知的インパクトをもたらし、お客さまのデジタルトランスフォーメーション(DX)とビジネスの拡大を成功に導くという姿勢を表しています。
このデジタルエンジニアリングは、次の3つの要素から成り立っています。1つ目は「Designed for Desirability(人を惹きつけるデザイン)」――技術起点ではなく、人々が「使いたい」と感じる体験を起点としたエクスペリエンスデザインの追求です。私たちの戦略デザイン部門であるMethodが、エクスペリエンスデザインやサービスデザインを融合することで、製品の機能性だけでなく、社会的背景や感情的満足をふまえた総合的な体験価値をデザインするとともに、お客さまのビジネスの将来像を可視化します。
2つ目は「Engineered for Excellence(卓越したエンジニアリング)」――生み出されたアイデアやデザインをChip to Cloud、つまり組込み制御からIoT、AI、データ解析、クラウド連携などのすべてのレイヤーにおいて最新の技術を駆使し、実現するための高度なエンジニアリングです。
3つ目が「Curated for Intelligence(知的洞察の創出)」――システム導入後にデータを収集し、AIを活用した分析を行い、データを単なる情報ではなく「洞察」に変換、お客さまを知的に進化する組織へと導きます。このデータとAIによる知的価値創出こそがGlobalLogicの真価であり、LLM(大規模言語モデル)やAIガバナンス、責任あるAI実装などを含む最新の知見をお客さまへ積極的に提供しています。
アイデアをビジネス価値へとつなげるGlobalLogicのVelocity AI
GlobalLogicがめざすのは、AIが人間に取って代わる社会ではなくAIが人間の創造性を拡張する社会、デジタルと人間の創造性が共進化する社会です。AIは目的ではなく、社会をより賢く、より持続可能にする手段であると私たちは考えています。
しかし、多くの企業ではAIを効果的に導入し、安全に使いこなすことに苦戦しています。そこで私たちは企業のAI主導による製品開発と業務効率化、迅速な意思決定を支援するため、AI、デジタル技術と専門家の知識を包括的に活用するサービスオファリングスイート「Velocity AI」を開発、2025年3月にローンチしました。
Velocity AIは、既存のAIモデルやクラウドサービスを束ね、セキュリティや法的リスクを管理しながらAI活用を促進する「Platform of Platforms」というプラットフォームアーキテクチャーに基づいて構築されています。ソフトウェア開発のライフサイクル全体にわたってAIを活用する「AI-powered SDLC(Software Development Life Cycle)」と業務効率と創造性の向上をめざした企業のAI活用・導入を支援する「AI-powered Enterprise」という2つの主要コンポーネントで構成され、AIを安全に使いこなし、製品やサービス、オペレーション全体で持続的な価値を生み出す仕組みを提供します。
私たちが行ったこれまでの検証では、Velocity AIを導入したクライアント企業では、組織全体の生産性が30%向上、製品・サービスの開発期間25%短縮、運用コスト20%削減といった成果が得られています。
Velocity AIは、現在、日立のソフトウェア開発などへの活用が進んでいます。また、日立グループはケイパビリティ強化、フットプリント拡大をめざしてAI関連企業のM&Aも推進しています。直近では2025年9月、ドイツに本社を置くAIコンサルティングファームのsynvertを買収し、GlobalLogicの100%子会社とすることを決定しました。このM&Aは、エージェンティック AI(設定された目標を達成するために自律的にふるまうAI)やフィジカル AI(現実の物理世界と直接的に相互作用しながら自律的に行動するAI)の開発を加速し、それらを活用してお客さまや社会の課題解決をめざす日立のソリューション群「HMAX」の展開強化を目的としています。
日立グループのDXを推進する触媒に
ここまで述べてきたようなGlobalLogicのケイパビリティは、「真のOne Hitachi」によるDXを推進する触媒としての力を発揮しています。例えば、日立レールが、2025年9月に米国メリーランド州ヘイガーズタウンに開設した新工場において、製造プロセスの効率化、作業効率と作業員の安全性のさらなる向上など、次世代スマートマニュファクチャリングの実現に向けたグループ一体の共同プロジェクトが進められており、その中でGlobalLogicは重要な役目を担っています。
また、日立エナジーと設備メンテナンスの高度化などエネルギソリューションの変革に向けた取り組みを進めるほか、日立ハイテクや、Flexware Innovation(本社:アメリカ)、日立アクアテック(本社:シンガポール)をはじめとしたコネクティブインダストリーズセクターの各社と、製造プロセスのDX化や、ユーザー体験を向上するアプリケーションの高度化などさまざまな取り組みを進めています。
第3回は、2月16日公開予定です。
スリニ・シャンカール(Srini Shankar)
GlobalLogic 社長兼CEO。2023年にGlobalLogic入社、最高事業責任者およびグローバルインダストリー部門の責任者として、業界別事業部門におけるGo-to-Market戦略の加速を主導。2025年2月より現職。約30年にわたるデジタルビジネスとリーダーシップの経験を生かし、企業ビジョンの策定から事業戦略の実行、グローバル組織の運営まで、全体を統括するリーダーとして同社の成長と変革を牽引している。
Birla Institute of Technologyで工学の学士号を、Indian Institute of Managementで経営学修士号(MBA)を取得。GlobalLogic入社以前はCognizantおよびInfosysにて複数の重要なリーダー職を歴任し、市場の拡大と持続的な成長に貢献してきた。現在は家族とともにニュージャージーに在住。オフにはテニスや歴史書、旅行を楽しむ。