画像: 田澤 由利氏 株式会社テレワークマネジメント 代表取締役

田澤 由利氏
株式会社テレワークマネジメント 代表取締役

奈良県生まれ、北海道在住。上智大学卒業後、シャープ(株)でパソコンの商品企画を担当していたが、出産と夫の転勤でやむなく退職。子育て中でも地方在住でも仕事をしたいと、3人の子育てと夫の転勤による5回の転居を経つつ、パソコン関連のフリーライターとして自宅で働き続けた。1998年、夫の転勤先であった北海道北見市で「在宅でもしっかり働ける会社を作りたい」と(株)ワイズスタッフを設立。さまざまなIT関連業務を受託し、「ネットオフィス」というコンセプトのもと、全国各地に在住する160人のスタッフ(業務委託)とチーム体制で業務を行っている。2008年には、柔軟な働き方を社会に広めるために、(株)テレワークマネジメントを設立。東京にオフィスを置き、企業の在宅勤務の導入支援や、国や自治体のテレワーク普及事業等を広く実施している。また自らも、場所や時間に縛られない柔軟な働き方である「テレワーク」に関する講演や講義をするほか、ブログやFacebook等で広く情報発信・普及活動を行っている。


働き続けたい人にとって、テレワークは一つの解である

現在、子育てや親の介護、病気や怪我、災害などにより、本人の意思に反して働き続けることができない人が多く存在します。私自身、大学卒業後に勤めていた会社を退職せざるを得なかったのは、夫の転勤と出産が理由でした。一方、長く続いた少子化の結果、日本は超高齢社会に突入しつつあり、今後は働き手が不足することが予想されています。労働人口の確保が喫緊の課題である今、多様な生活環境にある人が働き続けられるような社会のしくみづくりが必須です。

画像: 働き続けたい人にとって、テレワークは一つの解である

そうした中、私が手掛けているのが「テレワーク」の普及です。テレワークとは、在宅勤務やモバイルワーク等を含む、ICT(Information Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方です。さまざまな理由により企業で働き続けることができない人にとって、テレワークは新しい働き方の選択肢の一つと言えます。私が3人の子育てと夫の5度の転勤の中で働き続けることができたのは、まさにテレワークのおかげでした。

しかしそれが可能なのは、いまだ多くの場合、ライターやデザイナーのような専門性を身に着けたフリーで働く人に限られています。一方、私が推進しているのは、企業雇用型のテレワーク。これまでは管理面などから、テレワークの本格導入は難しいとされてきましたが、その常識を覆し、社会イノベーションを起こしたい、という思いで取り組んでいます。

テレワークは経営戦略であり、アベノミクスの切り札でもある

5年前、企業に対してテレワークの普及支援をしようとテレワークマネジメントという会社を設立した当初、多くの企業にとって、テレワークは福利厚生の制度の一つでしかありませんでした。しかし、わずか数年で状況は大きく変わりました。東日本大震災を機にBCP(Business Continuity Plan)対策の一環として注目を浴び、さらに、第2次安倍内閣においては、成長戦略の一つに組み込まれ、女性活躍推進をすすめる重要な施策とされています。テレワークは今や単なる福利厚生でなく、人材確保や生産性向上など、企業の成長を支える経営戦略として認知され始めています。

実は、テレワーク導入の障壁が企業側の人の意識や組織のしくみにある、ということが、意外に理解されていません。たとえば、テレワークができるのは、自己管理ができる能力の高い人だけだという誤解があります。けれども、管理の方法やコミュニケーションの取り方を少し工夫するだけで、ほとんどの人が同じようにテレワークが可能です。誰もが同じように時間や場所に縛られずに働くためには、ICTだけでなく、意識を変え、制度をつくり、仕事のやり方を変えていく必要があるのです。

その一つの答えとして、今年、テレワークのノウハウをまとめた『在宅勤務が会社を救う―社員が元気に働く企業の新戦略』(東洋経済新報社)という本を上梓しました。本の帯にメッセージを寄せてくださったのは、なんと安倍晋三首相です。国がテレワークに本気で取り組み始めた今、私もその追い風に乗って、しっかりとテレワークを伝えていきたいと思っています。


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