画像: 一木 裕佳氏 株式会社バンダイナムコゲームス 社長室 新規事業部 ゼネラルマネージャー ゲームメソッドコンサルティング「スペシャルフラッグ」代表

一木 裕佳氏
株式会社バンダイナムコゲームス 社長室 新規事業部 ゼネラルマネージャー
ゲームメソッドコンサルティング「スペシャルフラッグ」代表

「授業時間外でも開きたくなるような教科書を作りたい」という思いからゲームクリエイターのノウハウとビジュアルデザイナーの力を活用した小学校向け教科書(国語・算数・理科 計28冊)を学校図書株式会社と共同で開発、平成23年度より全国の小学校で利用されている。また、総務省が実施した『「ユビキタスタウン構想推進事業」に係る提案公募』としてICTを利用した小学生向けユビキタス学習コンテンツ「タマキュウ!」を企画・制作。モデル自治体内の小学校や公共施設などに導入するなど、教育分野でのゲームメソッド活用方法を開拓する。家庭用ゲームソフトでは、裁判員制度をモチーフとした新たな試みとしてニンテンドーDS用ソフト「有罪×無罪」の企画を担当。2011年秋に、ゲームクリエイターの持つ知見を他分野に活用する専任チーム「スペシャルフラッグ」を立ち上げ代表を務める。


ゲームのものづくりには、人々をワクワクさせる技術や手法が凝縮されている

バンダイナムコゲームスが行っている、「ゲームメソッドコンサルティング」という事業をご存知でしょうか。当社では、旧ナムコ時代よりゲームの効能を科学的に追究してきた実績を踏まえて、ゲーム開発で培ってきた技術力やノウハウを、ゲーム以外の様々な分野に役立てることに取り組んでいます。その代表的な事例が、2009年から開発、2011年度より採用が始まった文部科学省認定小学校向け教科書です。「ゲームが自己主張するのではなく、子供たちを夢中にさせるアイデアを散りばめた、友達や家族とのコミュニケーションが生まれる教科書」をめざし、当社ゲームクリエイターが持てる知恵とアイデアを絞りに絞った異色の教科書は、都内の有名私立校の大多数で採用されるなど、異例の大ヒットとなりました。

画像: ゲームのものづくりには、人々をワクワクさせる技術や手法が凝縮されている

また、iPad向けの重度身体障がい者向け会話補助ソフトの開発や、音楽リズムゲーム「太鼓の達人」などのゲームを応用したリハビリマシンの開発などを産学官連携で実施し、すでに国内外の多くの現場で成果を上げています。

しかし、なぜ今、ゲームが注目されるのでしょうか。それは、ゲームがきわめてシビアなものづくりを強いられているから、とも言えます。たとえば、ゲームセンターで数あるゲームの中から選んで遊んでもらうためには、画面に流れる映像やサウンド、操作性など、さまざまな要素において、瞬時に人の心を惹きつける工夫が不可欠です。また、一つのゲームコンテンツであっても、ありとあらゆるゲームのプラットフォーム(各種ゲーム機、パソコン、スマートフォン等)に合わせて、きめ細かくソフトをつくり変える高い技術力が必要になります。さらに、説明書を読まなくても、直感的に操作できるようなインターフェースも欠かせません。つまり、ゲームのものづくりには、高度な技術力と人々を惹きつけるノウハウが凝縮されているということです。こうした「暗黙知」が独自のナレッジとして蓄積されていることが、当社の文化であり、コアコンピタンスとなっているのです。

「ファンファースト」の精神が、社会イノベーションの原動力になる

そもそも、ゲームというのは、生活必需品ではありません。プレイ中に少しでもストレスを感じれば、お客様は即座にプレイをやめてしまいますし、二度とそのゲームには戻ってきてくれません。だからこそ、機能の良さだけではない、利用者に心地よさや楽しさを提供し続けるという「ファンファースト」の精神が、私たちの中に脈々と蓄積されているのです。現在の社会課題の原因の多くは、まさにその欠如にあるのではないでしょうか。

私は、2005年にゲーム業界以外から当社に来て、教育CSRや新規事業開拓の分野でゲームクリエイターと向き合ってきました。そこで見てきたゲームのものづくりで蓄積した卓越した技術やノウハウは、CSR(企業の社会的責任)の枠を超えて社会イノベーションの原動力になると確信し、2011年に立ち上げたサービスが「ゲームメソッドコンサルティング」事業(チーム名:「スペシャルフラッグ」)です。この日本の宝とも言える知を、今後もより多くの多様な分野で活かすお手伝いができれば幸いです。


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