画像: 八尋 俊英 株式会社 日立コンサルティング 代表取締役 取締役社長

八尋 俊英
株式会社 日立コンサルティング 代表取締役 取締役社長

1965年生まれ。IT分野の投資銀行業務を学んだ長銀を最初に、ソニーを経て経済産業省に社会人中途採用1期生として入省。商務情報政策局情報経済課企画官、情報振興課長、大臣官房参事官(新需要開拓担当)兼 新規産業室長を経て2010年退官。その後シャープのクラウド活用新サービス等に従事、新設されたクラウド技術開発本部長、研究開発本部副本部長を経て2012年退社。日立コンサルティング取締役を経て2014年4月より現職。


社会ニーズの当事者が、意思決定に参加し、社会を変えていく

今、世の中が大きく変貌を遂げようとする中、まさに社会イノベーションの時代が到来していると感じています。その背景にあるのが、ITの進展です。インターネット上で世界中の情報が検索でき、センサーであらゆる人やモノの情報が取得可能となり、クラウドコンピューティングの実現により、それらの膨大な情報を容易に共有・活用することもできる。環境問題や災害対策、少子高齢化、医療・福祉問題といったさまざまな課題を抱える社会に対し、制度やインフラストラクチャー、人々が必要とするサービスなどをトータルに、全体最適化しつつ再設計できる道具立てが揃ってきました。

そうした時代の流れを受け、欧米では社会的な改革への取り組みこそが、政治やビジネスの中心となりつつあります。そして実際に、子育てや親の介護をしている人など、社会ニーズの当事者が制度改革や意思決定のメカニズムの変革に関わり始めている。社会課題の解決のためには徹底的に需要側の視点に立つ必要があり、ゆえにダイバーシティが不可欠だということでしょう。

翻って日本でも近年、ダイバーシティの重要性が唱えられるようになりましたが、それが国際競争力強化に向けた本格的な成長戦略だと認識している人はいまだ多くはありません。今後の人口減少に伴う労働人口の減少が危惧される中、女性を含めた多様な人材の活用こそが日本の大いなるポテンシャルである、と発想を転換する必要があります。また、過去の成功体験に囚われたまま、既存の組織の枠や従来のやり方から脱却できないことも、社会イノベーションの大きな妨げになっている。クールジャパンに代表されるアニメやゲームなどがそうであるように、これからの時代、それぞれの個々人や企業の持てる技術やノウハウを持ち寄るというオープンイノベーションなくして、社会課題を解決することはできません。そのためには、複数の組織や人、情報を組み合わせる編集力が欠かせないと考えています。

日立の「出島」として、社会イノベーションの牽引役を務める

もっとも日本においても、こうした世界の潮流を敏感に感じ取り、変革に取り組み始めている企業は少なくありません。日立も抜本的な組織改革を進めているところですが、グループ会社を含め32万人の従業員のうち、すでに12万人が海外に籍を置き、グローバルな人事評価制度の確立に取り組むとともに、経営トップみずからの自己改革としても、取締役会の過半数に外国人を含む社外取締役を任命しています。その中で、外部からの転職者が7割を占める日立コンサルティングは、最もダイバーシティに富んだ人材を擁する組織であり、江戸・幕末の日本でたとえるなら、まさにいい意味での「出島」と言えるでしょう。かつて多くの御雇外国人を海外から招聘し先進技術や制度を取り入れたように、日立コンサルティングは出島としてのインハウスイノベーションの推進役をめざしているというわけです。

日立グループは今、最新のITを駆使し社会インフラの再構築をめざす外部企業とパートナーシップを組み、オープンイノベーションにより、様々な社会課題の解決に取り組んでいます。この中で日立コンサルティングに課されているのは、相互の触媒となって、新たな価値を提示することにあります。引き続き、これらの挑戦的なプロジェクトへの支援を通じて、社会に貢献していきたいと思います。

画像: 日立の「出島」として、社会イノベーションの牽引役を務める

今回のパネルディスカッションは、テレワークやゲーム手法の応用など、社会課題の最前線から新たなビジネス価値創造を提案している田澤氏、一木氏、一貫してわが国のコミュニケーションメディアの革新を牽引してきた夏野氏、民間の投資機関では対応できない公益事業を支える産業革新機構の朝倉氏、そして社会インフラから健康・医療まで、多様な視点から成長戦略に関する政策を立案・実施している和泉氏と、まさにダイバーシティに富んだ各界のキーパーソンにお集まりいただきました。今後のビジネスを通して、実践的に社会イノベーションを推進していくためにどのような視点が必要になるのか、皆様と共に考えを深めていきたいと思っています。


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